突然お客さんから理不尽に怒鳴られると、冷静になれない。
なにも言い返せず謝るしかなくて、悔しいし辛い。
自分の身をしっかり守る対策、なんかないかな。
とお悩みの方へ向けた記事になります。
- 気が立っている相手に対して、冷静な切り返しができるようになります。
- 悪質なクレーマーへの対応として、警察を呼ぶ選択ができるようになります。
むやみに通報すればいいわけではありません。
クレーマーの話をちゃんと聞き、まずは謝罪する気持ちは忘れないようにしましょう。
そのうえで、
- あまりに要望が悪質で不当
- どう考えても、業務妨害そのもの
という場合は、通報という選択肢をとってください。
【知らないと損】お客さんに理不尽に怒鳴られた時役立つ「罪」まとめ
どんな職種でも、カスハラや悪質なクレーマーは跡を絶ちません。
お客さんとスタッフの関係である以上、取り乱した対応や逆ギレはNGです。
とはいえ今の時代、泣き寝入りもいけません。
自分の身は自分で守ることが大切です。
そこで使えるのが、罪の知識。
気が立っているクレーマーほど、警察を恐れています。
正しい知識があれば、カスハラや悪質なクレーマーに対し適切な対応ができるようになるでしょう。
この記事ではカスハラ対策として、相手に
お客様。それ、〇〇罪ですよ。
と言えるよう、該当する罪と反撃の言い方をまとめています。
クレーマーから身を守るための対策として、参考にしてください。
行き過ぎたクレームは、もはや犯罪
店員やスタッフに対して
オレは客だぞ!
みたいな態度は、嫌がらせ行為に他なりません。
「お客様は神様です。」
「すべてのお客様に対してウンタラカンタラ…」
といった、ありがたいお話もあるでしょう。
しかし傲慢な態度のクレーマーは、もはやお客様ではありません。
まぎれもなく迷惑行為者であり、もっと言うと犯罪者です。
まずはこの認識をもち、しかるべき対処を行いましょう。
店員と客の関係とはいえ、どちらも同じ感情を持った人間。
そこはしっかり切り替える必要があります。
以前の記事、「あえて転職しない」←この選択、危険です。も参考にどうぞ。
店員を大声で怒鳴るのは何罪か?
ひとえに「大声で怒鳴る」といっても、どんなことを口にしているかで変わります。
たとえば、
「ちゃんと頭下げろ」
「土下座しろ」
このような行動を命令するたぐいのものは、強要罪。
「無料にしろ」
「慰謝料払え」
このようにお金を手に入れようとするものは、脅迫罪となります。
実際にお金を手に入れてしまえば、恐喝罪です。
「ここの食器、洗ってないだろ」
「お前、闇金から金借りてんだろ」
このように売上に響きそうな悪口を発すると、名誉毀損罪もしくは信用毀損及び業務妨害です。
「バカ、アホ、ハゲ、◯ね」
このように、ただ侮辱するのは侮辱罪となります。
…このようにクレーマーが言うことは、何かしらの罪に該当します。
なので言われたことが何罪に該当するか、考えることが大切です。
では具体的にどのような発言が、どのような罪に該当するのか?
次章でさらにくわしく解説します。
刑法
不退去罪
正当な理由がないのに、人の住居もしくは人の看守する邸宅、建造物もしくは艦船に侵入し、要求を受けたにもかかわらずこれらの場所から退去しなかった者は、3年以下の懲役または10万円以下の罰金に処する。
刑法130条(住居侵入等)
悪質クレーマーの要求があまりにも不当でひどい時があります。
そんな時、「その要求には応じられません」と対応しますよね。
でも相手は
いや納得できない!
理解できるよう説明しろよ!
と言ってその場に居座り続けたとします。
こうなったら「お引取りください」と退去を求めましょう。
それで相手がすぐ退去しない場合、不退去罪に該当します。
お客様。
このままお引取りいただけないようですと「不退去罪」に該当するので通報せざるを得なくなってしまいます。
どうかお引取りください。
強要罪
1.生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。
2.親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
3.親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者も、前項と同様とする。
刑法223条(強要)
お前ほら、今すぐここで土下座しろよ!
客の言うことが聞けないのかよ!
みたいに、ある行為を強要した場合、立派な強要罪に該当します。
お客様、従業員の身分は内規で定めています。
そして土下座は人格権の侵害で「強要罪」に該当します。
無謀な要求はおやめ下さいませ。
脅迫罪
1.生命、身体、自由、名誉または財産に対し、害を加える旨を告知して、人を脅迫した者は、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処する。
2.親族の生命、身体、自由、名誉または財産の対し、害を加える旨を告知して、人を脅迫したものも、前項と同様とする。
刑法222条(脅迫)
できないとどうなるかわかってんだろな?
SNSに悪い口コミ書いて拡散してやるぞ?
みたいないわゆる脅しは、脅迫罪に該当します。
言わずもがな「ぶっ◯すぞ」みたいな発言も、立派な脅迫罪です。
決して我々は望んでおりませんが、その行動を強制できる立場にはございません。
ただ、もしそのような行いで当店に実害が及んだ場合、しかるべき対処をさせていただきます。
この会話は録音(録画)されていますので。
恐喝罪
1.人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
2.前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
刑法249条(恐喝)
慰謝料払えよコラ!
料金を全額返金しろ!
などといって、実際に現金や財産を得ると恐喝罪です。
上記の「脅迫罪」との違いは、実際に現金や財産などのモノを手にするかしないか。
お客様の発言は、脅迫罪に該当します。
もし仮にお金を渡したとしても、恐喝罪に該当します。
どちらにせよ通報せざるを得なりますので、どうかお引取ください。
名誉毀損罪
1.公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する。
2.死者の名誉を毀損した者は、虚偽の事実を摘示することによってした場合でなければ、罰しない。
刑法230条(名誉毀損)
お前どうせ、借金まみれなんだろ?
ただカネが欲しいだけなんだろ?
この間、この店に闇金が入っているとこ見たぞ。
ネットで拡散してやろうか?
などを大きな声で言い放ったり、SNSでの拡散をもくろむ、などです。
人の社会的評価を落としたり、信用を消すことに繋がる発言や行いは、名誉毀損に該当します。
お客様、私は決してそのようには考えておりません。
それが仮にもし事実であったとしても名誉毀損に該当します。
なのでそのような行動はおやめくださいますようお願いします。
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信用毀損及び業務妨害
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。
刑法233条(信用毀損及び業務妨害)
ここのラーメンは不潔だ。
食器や調理器具、洗っていないんだろ。
SNSに書き込んでやろうか?
みたいなことを大声で店員に向かって言い放ったり、またSNSや食べログに書き込むなどです。
人の経済的な信用を落とすこと。
つまり商品やサービスの信用を消す発言や行いは、信用毀損に該当します。
当店は衛生面に十分な配慮を行った上で営業しています。
SNSに書くのはお客様の自由ですが、それで実害が生じた場合「信用毀損及び業務妨害」で通報させていただくことになってしまいます。
侮辱罪
事実を摘示しなくても、公然と人を侮辱したものは、拘留又は科料に処する。
刑法231条(侮辱)
このバカ野郎
このハゲじじい
◯ねよデブ
みたいな、いわゆる「暴言」は立派な侮辱罪です。
ちなみに名誉毀損との違いは、事実を言ってるか言ってないか。
バカ、ハゲ、デブなどの基準は人それぞれで、事実とは異なるので侮辱罪となります。
「バカ野郎」「ハゲじじい」とおっしゃるんですね。
承知しました。
そのような言葉遣いは立派な侮辱罪に該当しますので、警察に来てもらおうと思います。
威力業務妨害罪
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。
刑法234条
威力とか威圧の力で業務を妨害すること。
- 机を叩く
- 椅子を蹴る
- 大声を出す
などの行為で相手を萎縮させると、威力業務妨害罪に該当します。
お客様、どうか落ち着いて下さい。
あと机や椅子に当たるのはご遠慮ください。
威力業務妨害で通報せざるを得なくなってしまいます。
器物損壊罪
前3条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料に処する。
刑法261条(器物損壊等)
読んで字の如し、お店や人のものを壊すと、器物破損罪に該当します。
もしイライラしたお客さんが、椅子を蹴るなどして壊した場合、通報しましょう。
暴行罪
暴行を加えたものが人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役、もしくは30万円以下の罰金、もしくは拘留、もしくは科料に処する。
刑法208条
具体的には、
- 腕を掴む
- 胸ぐらをつかむ
- ツバを吐きかける
- 液体をかける
といった行為が、暴行罪に該当します。
「殴る・蹴るの一歩手前」と考えて差し支えありません。
たとえ傷害や怪我に至らなくても、立派な犯罪ということです。
傷害罪
人の身体を傷害したものは、15年以下の懲役または50万円以下の罰金に処する。
刑法204条
これは最悪のケース。
悪質クレーマーが暴力をふるってスタッフを怪我などさせたら、傷害罪に該当します。
立派な「罪」に該当しますので、すぐに通報しましょう。
ちなみに肉体的な暴力だけでなく、精神的な暴力もこれに該当します。
たとえば言葉によるハラスメント攻撃を繰り返し、相手を精神疾患(うつ病とか)に追い込んだ場合などです。
カスハラに限った話ではなく、おなじ職場の仲間に対しても気をつけたいところです。
以前の記事、【意外】不機嫌な人に「付き合う」のが、いちばん損ですよ【不機嫌は連鎖する】も参考にどうぞ。
まとめ
- 不退去罪。すぐ退去しないと該当する。
- 強要罪。土下座しろ、などが該当する。
- 脅迫罪。いわゆる脅しが該当する。
- 恐喝罪。不当にお金を得ると該当する。
- 名誉毀損罪。人の信用を消す行動が該当する。
- 信用毀損及び業務妨害。商品の信用を消す行動が該当。
- 侮辱罪。事実じゃない暴言が該当する。
- 威力業務妨害罪。机を叩いたり、怒鳴ると該当する。
- 器物損壊罪。ものを壊すと該当する。
- 暴行罪。腕や胸ぐらを掴まれたら該当。
- 傷害罪。怪我させたら該当。うつ病にさせても該当。
以上カスハラ対応に使える罪を紹介しました。
カスハラ客や悪質クレーマーは、一定レベルを超えたら犯罪になることを理解しています。
店員が、「お客様→迷惑行為者」へ認識を切り替えた場合、たちまち慌てるものです。
警察を呼びますよ、と法に触れることをやんわり警告するだけでも効果があります。
自分の身や財産を守るための知識として取り入れ、活用していきましょう。
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