【転職】「後悔しない決断」のために確認すること

転職の決断が、とにかく怖い

あれこれ考えて、悩みすぎてしまう

間違った選択をして、後悔したくない

このようなことでお悩みの方へ向けた記事です。

転職は「今後の人生を左右する大きな決断」と言っても過言ではありません。

不安はつきものだし、色々考え、悩んでしまうのはごく自然なことです。

だからこそ、なるべく後悔のない決断をするため「自分の思考のクセ・かたより」にも目を向け、そのうえで合理的な選択ができるようになりたいものです。

この記事では、転職で後悔しないために、事前にチェックしておきたい項目を紹介します。

この記事を読むメリット
  • 「後悔しない決断」をするために参考になります。
  • 「自分の思考のクセやかたより」に気付くことができます。
  • 転職のほかにも、大きな決断をする際の思考法として使えます。

出典:何でそれに決めたの? ビジネスから日常まで、迷ったときのファイナンス思考|而二不二|総合法令出版

目次

リスクについて

リスクを理解しているか

世間では一般的に「リスク」=「危険なこと・悪いこと」と解釈されています。

それも正解なのですが、ここでは「リスク」=「不確実性」と考えてほしいです。

とあるできごとが発生するのが明確なら「リスクは低い」。

逆にあるできごとが発生するか不明確なら「リスクは高い」。

つまり「リスク」という言葉はいい意味でも悪い意味でも使うことができます。

(例)
転職のリスクゼロの状況
先日面接した企業が明らかに「ブラック」だった。労働環境や時間、人間関係や金銭面もよくないと確信した。

転職のリスクが高い状況
先日面接した企業の雰囲気が素敵だった。残業もなく、労働環境も自分に合ってそう。でも、この会社はしゅっちゅう求人を出しているのが現実。実態は謎めいている。

上記のように、「実際蓋を開けてみないとわからない」状況こそ「リスクが高い」といえます。

リスクを「見える化」しているか

そんな不確実なリスクを「見える化」しましょう。「見える化」のために考えるのは下記3つ。

  • 何が起こりそうか。
  • どうしたら起こるのか。
  • じゃあどうしたら起こらなくなるのか。

前述した「転職のリスクが高い状況」を例にしてみますので、このように考えてみて下さい。

(例)
何が起こりそうか。
→残業をガンガン行う会社かも。だと自分も精神削って働かされることになりそう。
→かなりクセ強い人間がいるのかも。だから求人が耐えないのかも。自分もすぐ辞めるかも。

どうしたら起こるか。
→面接の段階で、念入りな確認もせずに入社を決める。
→あれこれ怒られるのは、だいたい「仕事できない」から。それに人間は毎日、上機嫌なわけじゃない。

じゃあどうしたら起こらなくなるか。
→残業や、金銭面を事前に確認する。後で自分の身を守る手段として、それを紙面やデータで共有する。
→少しでも早く「仕事できる人」になる。そのために、仕事でつかう技術や知識を確認し、予習する。

決断において最も重要なことは、「漠然とした不安を消すこと」です。

そのために最も有効なのが「リスクの見える化」というわけです。

リスクを下げる方法を考えてるか

すべての卵を一つのカゴに盛るな。

という、有名な格言があります。

一つのカゴに卵を全て入れて保管してたら、そのカゴをひっくり返してしまったとき最悪ですよね。だから「複数のカゴを用意して、それぞれに卵を分散して入れて保管しなさい」という意味です。

転職においても同じことです。

例えば、希望の会社を1社に絞り、転職活動をスタートしました。その1社に100%注力するため、事前に今勤めている会社を辞めました。それでもし落ちたら最悪ですよね。

なので「希望の会社は少なくとも3社以上ピックアップして、同時進行で就活を行う」みたいなリスクヘッジをとっておくべきです。

リスクはゼロにできなくても、低くすることはできます。

「リスクがあるから諦めよう」じゃなくて「リスクを低くするためにどうするか」考え、冷静に対応していくことが大切です。

決断について

都合のいい情報ばかり信じていないか

「確証バイアス」というやつです。人は一度選択肢を決めてしまうと、それを正当化する情報ばかりを集め、それに反する情報は無視しがちになる、というものです。

転職の場合も、「外見え」とか「ネットのキレイな情報」で判断し「この会社はきっといい会社だ」と信じ込んでしまうとかなり危険です。

性悪なようですが、常に「疑う」意識を持つことが大切です。都合いい情報ばかり集めるクセがつくと、自分自身の判断ミスに気付くのも難しくなりますからね。

現在の価値よりも未来の価値を重視しているか

「現在性バイアス」というやつです。未来の価値よりも、目の前の価値を優先してしまうというバイアスです。

例えばダイエット。「スリムでキレイな体になる」未来より、ついつい「甘いスイーツを食べる」という目の前の価値を優先させてしまいますよね。まさしく「現在性バイアス」が影響しています。

転職の場合もそうです。キラキラして見える目の前の企業に仮に入社したとして、本当に「将来こうなりたい」という自分の理想を実現できそうですか?「めんどくさい就活に一刻も早く終止符を打つ」ことが目的になっていませんか?

目の前のキラキラに惑わされずに、「将来を見据えた長い目」でものを判断しましょう。

「もったいない病」にとらわれていないか

「サンクコストの誤謬(ごびゅう)」というやつです。簡単に言うと「もったいない病」です。

例えば、下記のようなもの。

(例)
「これまで◯年勤めていたのに、辞めるなんてもったいない」
「◯円も払ったんだから、ここで退会するなんてもったいない」

これらに「費やした時間とお金」はどうあがいても返ってきません。

にもかかわらず人間はそれにとらわれ、決断を先延ばしにしたり、非合理な判断をしてしまう傾向にあります。

「これまで◯年勤めていたのに」じゃなく、「この先も勤め続けて幸せになれる可能性」と「辞めた後に得られる時間の価値」を比較しましょう。
「◯円も払ったんだから」じゃなく、「この先もお金を払い続けることの価値」と「退会した場合に得られるメリット」を比較しましょう。

転職の決断においても「今の会社に費やした時間とかお金」は、判断の足かせになることもあります。

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直感について

「自分の経験」や「周りの意見」わずかな情報で判断していないか

自分の経験や知識、周りの意見で決断を左右されるのは、合理的とはいえません。

具体的には、下記のようなものです。

(例)
自分「前の会社でうまくいかなかった。次の会社でもうまくいくわけない。」
自分「この業界は、冷たい人たちばかりで溢れかえっている。」
上司「辞めるの?この会社で続かないようじゃ、どこ行っても続かないよ。」

しかしながら、次の会社ではうまくいくかもしれないし、どの業界も温かい・冷たいは人によります。続かなくたって、どこか別の場所でなら続きます。仕事なんて星の数ほどあります。「適材適所」です。

自分のネガティブな思い込み、周りのネガティブな助言などの「わずかな情報」動揺していませんか?自分と向き合って確認してみましょう。

自分の勘や、SNSの情報だけで、判断していないか

人は焦ったり、予想外の事態に直面すると「自分の勘に頼る」「すぐに簡単に手に入る情報に飛びつく」といったことをやりがちです。

2021年の2月ころ、新型コロナウイルス関連の「デマ情報」により全国の店舗でトイレットペーパーやティッシュが品薄になりました。筆者もまんまとそのデマに飛びつき、急いで近所の薬局に向かいましたが買えませんでした。

このように精神的に不安定になると「冷静な状態ならとても信用しない情報でも、あっさり信じてしまう」といったことが起きてしまいます。

また、TwitterやFacebookで得られるのは「好きでフォローしている人に関連する情報」や「いいねしたものに関連する情報」といった耳あたりのいい情報ばかり。SNSには基本的に「自分にとって都合の悪い『事実』のような情報は見えない」ものです。

どんな時でも冷静に「正しい情報の選定」することを心がけましょう。というか、そもそも焦りなどで精神が不安定な時に大きな決断はしない方いいです。

初めに得た情報に判断が左右されていないか

アンカリング効果と呼ばれるもの。

「本質的には全く関係のない情報にとらわれ、思考が限定されてしまうこと」です。

(例)
100万円のギターが売ってました。欲しくて仕方ありません。
あなたは店員さんにしつこく値引き交渉をしました。
結果、45万円で手に入れることができました。
半額以下でリーズナブルに買えたので、ラッキーです。
しかし、そのギターは一般的に25万円程度で買えるものでした。

このように、転職を考えている会社の情報も、初めに得た情報を「スタート台」にして収集してないでしょうか。

そもそもそのスタート台は、信ぴょう性があるのか?をもっと疑うこと。

重要なのは「そもそも思考」です。スタート地点(転職のきっかけ)に戻って、考えてみましょう。

まとめ

  • 「リスク」とは「不確実性」のこと。
  • リスクの見える化。何が・どうしたら起きて・どうしたら起こらず済むか。
  • リスクは分散すべし。ゼロにはできなくても、低くはできる。
  • 都合のいい情報に惑わされていないか。疑うこと。
  • 目先のキラキラに惑わされず、「将来を見据えた長い目」で見る。
  • 「もったいない病」に注意。「この先のこと」を考えよう。
  • 自分の思い込み、周りの意見は「わずかな情報」にすぎない。
  • SNSには、自分にとって都合の悪い「事実の情報」は出てこない。
  • 初めに得た情報を信じ込まない。そもそもの「スタート地点」に戻る。

以上、「後悔しない決断のために確認すること」でした。

この記事が「後悔のない選択」のために、自分の思考を見直すきっかけになれば嬉しいです。

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