社内プレゼンがとにかく苦手。やりたくない。
自分の言うことは、なぜいつもあんなに伝わらないんだろう。
本記事では、このようなことで悩んでいる、社内プレゼンを控えている方へ向けた対策を詳しく解説します。
- 社内プレゼンが苦手な方でも、相手に伝わる、納得してもらえる話し方がわかります。
- 社内プレゼンに備え、何を事前に準備すべきかがわかります。
出典:社内プレゼンの質疑応答術 ~決裁者を納得させる最強の答え方と準備の方法|前田 鎌利(著)|すばる舎
事前準備
構成の確認
そもそも、社内プレゼンのゴールは「決裁者からOKをもらう」ことです。
なので「決裁者はどんなことを考えて意思決定するのか」をある程度知っておく必要があります。
決裁者が考えることは、大体下記の通りです。
- 「どんな問題をどう解決するプレゼンなのか」がはっきりしているか
- その上で現状をしっかり把握していて、提案内容が適切か
- 提案の内容はシンプルで、ロジカルで分かりやすいか
- 過去のデータや、証拠・根拠は正確なものか
- 質疑応答での質問に対し、正確に答えられているか、嘘やはぐらかしはないか
- 担当を任せても問題ないか、託せるかどうか
決裁者は大体、全部自分でできるくらいの能力はあるものの「自分ができる仕事量には限界があるから誰かに任せる」事になります。それが「決裁」という行為です。
なので決裁者に安心してもらうためには「納得感」や「信頼感」が持てるかどうか、が決め手になります。
スライドにはメリハリを
1枚のスライドの情報量はとことん短く
スライド作成の基本は、1枚のスライドの情報量を多くしないことです。
端的に「言いたいこと」だけが書いてある方が見ている側にとっても、スッと頭に入ってきます。
端的でシンプルなスライドであれば、声を出して話すことも少なくなりますので、時間の短縮にも繋がります。
箇条書きと、文字の強調
基本的に言いたいことがいくつかある場合、箇条書きで伝えましょう。
「3つポイントがあります。1つ目は〇〇、2つ目は〇〇、3つ目が〇〇です。」
という風に短く切って伝えましょう。箇条書きにしないと、スライドにダラダラを文章を書いてしまい、読む側に伝わらないという結果になります。
また、スライドの中で強調したい部分には、色をつける、文字を大きくする、または太くするなどの「アクセント」をつけることも非常に重要です。
質疑応答対策は入念に
「聞かれそうな質問」の対策を
聞かれそうな質問とは、下記5つ。
- 詳細
- 説明
- 理由
- 根拠
- 代替案
もちろん案件によりますが「これはどういう事?」とか「この結論の理由は?」と聞かれた時、具体的な数字や証拠・根拠を説明できるといいでしょう。
例えば「このグラフを見せたら『過去の推移を見たい』っていう要望が出てきそうだな。」みたいに予測を立て、過去の推移データも準備します。
このように、上記5つを参考にし、聞かれるであろう質問を10~20個考え、事前に対策を練ります。
「聞かれたらイヤな質問」の対策を
聞かれたらイヤな質問とは、下記のようなもの。
- 予想外な質問
- 漠然としていて、何が言いたいかわからない質問
- 質問ではなく、ただの意見、感想
- 質問者の自己アピール目的の質問
- 自分の権限ではどうにもできないことに対する質問
質問者がどういう意図でその質問をしてくるか「質問の本質」を見極める必要があります。
「そもそも、これはやる意味あるの?」という場合の質問者の本心は「自部署の負荷を増やしたくない」「手間がかかるわりに、評価につながらない」「そもそも本人がやりたくない」といったことが大半。
この場合「そもそもやる必要がない、という根拠を教えていただけますか?」「では、代替案をご教示下さいますか。」「こういう効果を期待できるから、今やる必要があります。今やらないと、このようなリスクがあります。」といった感じで返します。
すると曖昧な返事が返ってくることが多いので「なら、やりましょう」みたいな感じで、相手を巻き込む形で提案しましょう。
こちらが話している真っ最中にも関わらず、話をさえぎって自分の意見を言う方もいます。中途半端に止められるとペースが狂います。
さえぎられてもオドオド、イライラせず「冒頭3分くらいで概要をまず説明します。その後、ご不明な点に応えます。よろしいでしょうか。」でさばきましょう。
「これはもう過去に何回もやって失敗してきてるんだよね。」という質問者は、はっきりした証拠・根拠がなく、なんとなくの経験値や感覚値で言い放つことが多いもの。
こちらに対しても「『過去に何回も』とは、具体的にいつ頃、どのような試みを行い、どのような失敗をしているのかお聞きしてもよろしいでしょうか。」と質問してみましょう。
「自己アピール」とはプレゼンや会議において、自分の知見をひけらかしたり、否定的な意見で上位者に自分をアピールする人のこと。
「後で個別にお話させて下さい。」といってさばきましょう。ただ、言ったからには後でフォローすることも忘れずに。
「もう少し様子見した方が良いんじゃないですか」「もう少し議論してから実施しませんか」といった類のもの。実際にもう少し様子見したあと「何を議論するのか」が明確になっていないことが多い。
「今すぐに実行しないことのリスクとして〇〇があります。議論継続ですと間に合いません。是非一緒にご検討いただけませんでしょうか」みたいに、すぐに実行しないリスク、また代替案を用意しましょう。
「今はやめた方いいと思うんだよね」「他にもっとやるべきことがあるんじゃないの」「言ってる意味わかる?」といった、根拠に乏しい割に意見を求められる、非常に答えづらい質問。
根拠に基づいた否定であればなおさらです。「前例がないことに対する抵抗」もあるでしょう。これについては、完璧に返すことは不可能ですので、相手の意見も尊重しつつ、プレゼンの必要性や自分の強い気持ちをアピールしましょう。まずは決裁をもらうことが第一です。
本当に予想外で回答できず、黙らされる質問も中にはあるもの。
その場合、正直に「すみません、分かりません」「申し訳ありません。それは調査不足でした」「後ほどデータを提示します」と言って、次のアクションや態度を示しましょう。
「おそらく」「たぶん」「~だと思います」といった曖昧な表現でごまかすことは絶対にNG。自信のなさが表れ、信用貯金が減るだけです。
わざわざ「質問はありますか?」と聞かない
プレゼンが終わって質疑応答に入る際、「何も喋らない」のが大切です。
「~~…。以上です。」と言って話を終了させ、あとは決裁者が何を言うかを待ちます。
「以上です。」の後に何もなければ「特にご意見がないようですので、こちらで進めさせて戴きます。」と言って終了させましょう。
社内プレゼンという場では、わざわざ自分から「なにか質問はありますか?」と聞きに行く人(ファシリテーター)になる必要はないからです。
相手との対話で理解を深める「演説タイプのプレゼン」であれば「なにか質問はありますか?」と聞いた方がいいかもしれませんが、社内プレゼンでは不要です。
もし質問があれば「以上です」の後、何も言わなくても自動的に質疑応答タイムが始まります。
プレゼンの時間配分
社内プレゼンでの理想的な時間配分は、下記の計15分です。
- 冒頭3分でプレゼン
- 続く10分で質疑応答
- 最後の2分で決裁(終了)
スピードを求められる現代の仕事では、だいたいプレゼンの目安は15分程度です。
この割合で構成を考えると、聞いている側は飽きずに話を聞くことができます。話も文章も、短く済ませるのが基本です。
話し方
結論+理由でシンプルに
社内プレゼンでの話し方の基本は「結論から話すこと」です。
「結論+理由」もしくは「理由+結論」です。どちらでもいいですが、必ず結論と理由はセットにして話しましょう。
なのでスライドを作る際も、「結論(言いたいこと)」と「根拠としてのデータ(グラフなど)」を分けて掲載することが大切です。
見ている側は、結論を見ながらグラフを見て確認するので、複雑なデータやグラフがたくさん載っていると、結論として何が言いたいのか分からなくなってしまうからです。
目線は基本、決裁者
プレゼンターが送る視線の時間の割合は「決裁者7:スライド3」です。
確認のためにスライドを見ますが、口説く必要のある決裁者を見て話します。
決裁者はスライドを見ながらも、プレゼンターの表情をチラチラ確認するもの。そこで決裁者の方を見ていることで「真剣さ」「熱意」が伝わります。
また、ところどころで決裁者と内容を確認する際にも、意思疎通しやすいといったメリットもあります。
間違っても、お尻を向けて話してはいけません。
決裁者の反応を意識する
決裁者を見ながら話をすることで「決裁者の反応」が情報として入ってきます。
その反応が大切で、反応がなければ興味を示していない為、決裁に至らないことが多くなります。
聞いてる側にとって、興味ない話をダラダラ聞かされるほど苦痛なものはありません。反応が「薄い」「否定的」だったり、「あまり好意的に思われていない」という反応をキャッチしたら、なるべくプレゼンを短く切り上げ、質疑応答の時間を長く取るよう調整しましょう。
まとめ
- 決裁者がどんなことを考えて意思決定するのか、を知っておく
- スライドには「言いたいこと」のみ、箇条書きと装飾でシンプルに。
- 「聞かれそうなこと」と「聞かれたらイヤなこと」両方の準備を。
- 「質問はありますか?」は必要ない。黙って周りの反応を見る。
- プレゼンは15分で済ます。うちプレゼン3分、質疑応答10分。
- 話のポイントは「結論+理由」。結論と理由は必ずセットに。
- プレゼンターの目線は「決裁者7:スライド3」。
以上「社内プレゼンが苦手でも、相手が納得する話し方」でした。
社内プレゼンの9割は、質疑応答の対策などの「事前準備」で決まると言っても過言ではありません。たとえ苦手でも、入念な事前準備を行うことで、見違えるほど上手なプレゼンが出来るようになります。
本記事を参考に、「徹底した準備」に時間と頭を使い、社内プレゼンを無双して下さい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
1992年生まれ|2020年10月フリーランスとして独立|Web制作、SEOライティングを軸に活動中|接客→生産管理→システム開発会社→現在|モリブログ運営。Web制作、フリーランスジャンルを中心に更新中。PV数は年間14万人以上||温泉、旅行、甘いものが好き。