ライターの仕事はなくなる?生成AI時代にライターがもつべき武器とは

悩む人

Webライターになりたいんだけど、生成AIが仕事を奪うって本当かな。
ライターとして食べていくために、仕事の選び方とか努力の方向性を知りたい。
どうせライターを目指すなら、これからの時代に合わせた、成果につながる正しい努力をしたい。

Webライターとして5年活動してきた僕ですが、近年とくにこれについてまじめに向き合う必要があると感じてます。というのも、ここ数年で「専門性をもたないライター」の仕事が激減しているからです。

クラウドワークスなどで目にする案件も、以前のような誰でも書ける内容ではなくなりつつあります。それどころか、もはやITとか金融に関する専門性の高いテーマでも、「AIで十分では?」とすら思ってしまいます。

実際、自分自身も日々ChatGPTを活用していて、「もはやAIなしでは仕事にならない」と感じています。AIが出してくる答えは自分の知見をゆうに超えてくるので、悔しさを感じることもあります。

それでも、これまでさんざんがんばってきた「書く仕事」を捨てたくない。だから僕は、キャリアの方向を少し変えました。

この記事では、そんな危機感のもとで試行錯誤してきた僕自身の経験をベースに、「これからライターはどう生き残るべきか?」について考えてみたいと思います。

目次

専門性のないWebライターが減っていく現実

専門性のないWebライターが減っていく現実

Webライターとして活動していることもあり、ここ数年で求人の傾向が明らかに変わってきたことをひしひしと感じます。

とくにクラウドワークスのようなマッチングサイトでは、「誰でも書けるテーマ」や「情報をまとめるだけの記事」の案件は激減しています。

代わりに増えてきたのは、法律・医療・金融・不動産など、専門知識が求められる案件。つまり、読み手に信頼されるだけの裏付けや実務経験がなければ、太刀打ちできません。

「ただ文章が書けるだけのライター」は、仕事をとるのがどんどん難しくなっていくのは間違いない。生き残るには、なにかしらの専門性や差別化の軸が必要不可欠だと、肌で感じています。

AIは味方でもあり、強敵でもある

AIは味方でもあり、強敵でもある

AIの進化は、ライターにとって「味方」であると同時に「脅威」です。AIをまったく使わないと作業スピードや納品効率で大きく劣ってしまい、結局は頼らざるを得ないからです。

しかも、AIの強さはスピードや効率性だけではありません。ChatGPTやGeminiの登場で、自分がうろ覚えのジャンルや領域でも参考文献や過去のデータを踏まえ、限りなく事実に近い情報で上手な文章を一瞬で作ってくれます。

日々、便利に活用して執筆・編集などしながらも、心のどこかで「これ、自分じゃなくてもできるよな…」というもどかしさがつきまといます。

自分の得意領域でも「AI以上」を出せないストレス

自分の得意領域でも「AI以上」を出せないストレス

かくいう僕は「まったく専門性がないライター」ではありません。一応これまですべて独学で、

  • システム開発会社に従事
  • Web制作やWebデザイン業務を受注・納品

ということを実際に経験してきました。その知見と経験を活かし、それを強みとしてライターをやっているわけですが、それでも正直AIには太刀打ちできません。

以前は経験や知見を活かして、構成や改善案を提案できていたのに、今ではAIが一瞬で的確な解答を出してくる。クライアントも徐々にそれに気付き始めてて「人間に頼まなくていいじゃん」という風潮がじわじわ広がっていると思います。

実際僕自身も、長年付き合っているWeb系のクライアントからの執筆依頼数、そして単価が少しづつ減っているのが現状です。得意だと思っていた領域でさえAI以上の価値を示せない…さすがに焦りを感じます。

生き残るために選んだ「SEOディレクター」への道

生き残るために選んだ「SEOディレクター」への道

僕はそれでもライティングはやめません。昔から文章を書くことや言語化することが大好きだし、やってて苦痛を感じないからです。

でも前述したように、このままでは仕事がなくなる。だから僕は「SEOディレクター」へのキャリアシフトを選びました。

もともとWebライターとして記事構成やキーワード選定に携わってたのでSEOの知識は身についてるからです。あと、世間一般的には、「今後はLLMOやAIOの進化により、検索のしかたそのものが変わっていく(SEOが終わる)」とされています。

要するに、「Google検索<AI検索」の時代が来るということ。なので検索エンジンに引っかかるように対策するんじゃなくて、AIから出力されるように対策しようね、ということです。

ですがそれについて深堀りしてみると、それらの土台には結局SEOが深く根づいていまして、根本的にSEOがなってないことにはLLMOやAIOの対策はできません。なのでSEOの需要はまだまだなくならないと判断。

それに加えてLLMOやAIOの視点もあれば、今後はAIを活用しながら成果を出すディレクションが可能になります。「ただ書く人」から「設計全体を担う人」にキャリアアップ、これが今の僕ができる「生き延びる術」かなと思って踏み出しました。

生成AI時代のライターが持つべき武器とは

生成AI時代のライターが持つべき武器とは

生成AIが台頭する今、ライターに求められるのは、やはり「専門性」と「個性」です。

専門性というのは単に難しい知識を持っていることではなく、ある分野について「実体験に基づく視点や深掘りした知見」を持っていることを指します。たとえば

  • 医療現場で働く人が書く健康記事
  • 制作現場で手を動かしてきた人によるWebデザイン論
  • 実際に不動産営業をしていた人による物件購入のノウハウ
  • 育児をしている親が語る超ニッチな子育ての苦悩

といった一次情報に近い言葉は、AIには真似できません。

そして、最近は「何を言うか」よりも「誰が言うか」が問われます。情報の信頼性を担保するうえで、発信者の肩書きや実績が重要視されているのです。

無名のライターが書いた正論より、経験者の等身大の言葉に価値を感じる読者が増えているということです。だからこそ肩書きや背景を含め、「書き手の文脈」を磨いていく必要があります。

変化を拒むのではなく、学び直す姿勢こそが、淘汰されないライターの条件だと感じています。

ライターの「新しい価値」

ライターの「新しい価値」

生成AIの進化によって、「文章を書く」という行為そのものの価値は確実に下がっています。しかし、すべてのライターが不要になるわけではないと思います。

  • 取材を通じて得た一次情報
  • 人間の感情に寄り添った温度感のある文章
  • 現場に根ざした情報

などなど、これらはAIには出せない、人間の書き手ならではの価値だと僕は思っています。

また、今は前述したように「誰が書いたか」が評価されます。単なる情報の羅列ではなく、「この人の言葉なら信じたい」と思ってもらえる存在であるかが問われるようになってきています。

もはや「書くことが好き」という思いだけでは、ライターとして食べていけません。価値ある言葉を届けるためには、好きだけで突き進むのではなく、

  • いかにして何者かになるか
  • どうすれば対価を得られるのか

を戦略的に考える力も必要なのです。

まとめ

生成AIの登場によって、Webライターを取り巻く環境は大きく変わりました。これまで「とりあえず書ける人」が担っていた仕事は、すでにAIに置き換わりつつあります。

ただし、「書くこと」そのものが不要になったわけではありません。むしろ今は、「どう書くか」「なぜ書くか」を設計できる人材が求められています。

大切なのは、時代の変化を嘆くだけでなく、自分の立ち位置を見直すこと。

単価の低い消耗戦から抜け出し、自分が十分に価値を提供できる仕事に移る。そのためにスキルや知識をアップデートする。大きな決断になりますが、書くことを続けたいなら避けて通れない道です。

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